2012年06月11日

消えていく風景

テレメンタリー2012
紅い里の学び舎 最古の木造校舎 最後の1年


岡山県の高梁市立吹屋小学校。
明治時代から続く木造校舎は現役としては日本最古の小学校だ。
しかし、児童数減少のため、2012年の春に閉校することが決まった。
2011年4月
一年生の金藤桜華さん。
最後の年に入学する新一年生だ。
小さな集落の小学校だから迎える六人の在校生も式に出席する大人たちもみんな顔見知りだ。
しかし、表情が硬い桜華さん。
そこへ一人の上級生がやってきて手を取る。
桜華さんは安心して席についた。
岡山県西部に位置する高梁市は標高およそ500mの山懐に抱かれた吹屋地区にある。
1200年前に開かれた銅山とベンガラという顔料の生産でかつて栄えた場所だ。
吹屋小学校は100年以上前からこの場所に佇んでいる。
ベンガラとは九谷や有田といった陶磁器の赤色に使われてきた顔料のことである。
屋根には赤瓦。そしてベンガラが塗られた赤い格子をもつ家が立ち並ぶ。
どことなく江戸時代の雰囲気を残す町並みだ。

学校最後の年に入学してきた桜華さん。
母の東紀子さんは言う。
学校での生活を一日一日大切にしていって欲しいと思う。
桜華さんには二人の姉がいる。
長女の恵樹(えな)さん(六年生)と次女の野佳(のどか)さん(五年生)だ。
毎朝三人で仲良く学校へ通う。
毎朝校長先生は握手で児童たちを迎え、帰りは先生全員で見送りをするのが日課だ。
全校児童7人。
クラスは1,2年生と5,6年生の2つだけ。
学校の創立は1873年(明治6年)
折り上げと呼ばれる曲線を使った天井は明治の洋館の趣を持つ。
磨きこまれた床が100年の歳月を物語っている。
幅三間の廊下。広くて長い廊下が学校の自慢だ。
吹屋小学校の閉鎖が決まったのは前の年の暮れのことだった。
2年間地域で話し合いが行われ、最終的には児童の親が決めた。
桜華さんの父親も吹屋小学校の卒業生だ。
寂しい気持ちもあるが、子供たちのことを考えるとこの決断も止むを得ないと話す。

夏休みを終えた児童たちが二学期から取り組むのは一輪車。
10月に行われる運動会に向け、練習する。
一年生の桜華さんは練習を始めて数ヶ月、まだしっかり乗れない。
運動会まで一ヶ月あまり、懸命に取り組む。
上級生が両側から支えてくれることでだんだん上手くなってきた。
桜華さんの目標は20メートルを走り切ること。
そして運動会当日。
見事な秋晴れの中、競技が始まった。
子供たちに加え、地域の人たちも参加をする。
今年は最後の年というのもあって、卒業生たちも帰省して参加してくれた。
一輪車の演技。
初めは七人全員で演技。チームワークで会場を沸かせた。
そしていよいよ桜華さんの個人演技。
注目が集まる。
そして、
桜華さんは見事走り切った。

季節は流れ、2012年3月20日
卒業・閉校式
今年は三人の卒業生がいる。
それに合わせ、歴代の卒業生100人以上が出席した。
校旗を返納する。
児童一人ひとりが思いを語る。

閉校式から6日後の26日
終了式。
子供たちが通う最後の日だ。
雪の中での別れになった。
吹屋小学校の長い歴史の幕が閉じた。
新学期からはスクールバスで16キロ離れた学校へ通うことになる。

校長室の入り口に一枚の書がある。
「地域に僻地あれど教育に僻地なからしめん」


美しい映像を通して吹屋小学校の最後と桜華さんの成長を一年に渡って追いかけた物語でした。
季節ごとに映る吹屋小学校は常に美しく、それでいて荘厳です。
100年という歴史ある校舎はどこから見ても絵になります。
素晴らしく磨きあげられた床、波状になったすきガラス。
特に吹屋小学校の場合は地域に伝わるベンガラで赤く染められていて他にはない美しさがありました。
どことなく懐かしい高梁市の風景も、まるで昭和初期にタイムスリップしたかのようです。
ここから子供たちの声が聞こえなくなってしまうのは非常に寂しいです。
7人のうち3人が卒業してしまったとなれば、残るは4人。
さすがにもう学校と呼べる人数ではなくなってしまいます。
寂しいですが、閉校するしかありません。
校長室にあった書
「地域に僻地あれど教育に僻地なからしめん」
まるで今のこの状態を予言しているかのようです。
閉校はすれども、せめて校舎は残していただきたい。
後世に残してここで生活した歴史を少しでも多くの人に伝えて行ってほしいです。



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posted by ドキュメントまにあん at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | テレメンタリー2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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