2012年05月30日

身勝手な行為は許せない

NNNドキュメント'12
医療被曝〜過剰投与はなぜ起きたか〜


山梨県で84人の幼い子供が被曝した。
原因は原発ではなく、医療の現場で起きた。
去年9月山梨県甲府市にある市立甲府病院で12年にわたって放射性検査薬が過剰に投与されていた事実が発覚した。
検査薬の投与量を任されていたのは一人の放射線技師。
その量は推奨量の最大40倍。
一歳の男の子が検査を受けたのは生後4ヶ月投与された薬の放射線量は大人の基準値を3倍以上も上回る600メガベクレル。
今は健康に異常はないが、放射線の影響は何年先に現れるかわからない。
技師は事情聴取が行われる前に自ら命を絶った。
核医学の現場はなぜ一人の技師に任せきりになっていたのだろうか。

甲府病院から車でおよそ40分の場所に暮らす家族。
当時4ヶ月だった男の子が過剰投与の被害にあった。
子供は大人の2倍から3倍影響を受けやすいとされる。
しかし、病院側は被曝量は少なく心配はないと繰り返した。
半減期が6時間と短いテクネチウム。
この放射性物質とある薬品が結合した検査薬は体内で特定の臓器に集まる。
この性質を利用して臓器の状態を調べるのがRI(ラジオアイソトープ)=核医学検査。

国は一般人の被曝線量を年間1ミリシーベルトと定めているが、医療被曝に法律の上限はない。
治療や検査のための被曝は患者の利益とみなされるからだ。
必要以上の被曝を避けるため、放射線の専門家でつくる学会も2000年から推奨投与量を定めている。
ところが84人の被曝者の多くは腎臓の検査を受けた乳児と幼児。
問題の放射線技師が調合した検査薬の放射線量は最大で推奨量の40倍だった。
子供たちが受けた全身の被曝量はおよそ30ミリシーベルト。
中には被曝した量の合計が180ミリシーベルトに達した子供も含まれていた。
大人の場合、全身の被曝線量が100ミリシーベルトを超えるとがんのリスクが0.5高まると言われている。

事態を重く見た警察は病院、放射線技師の家を家宅捜索。
医師以外の人間が薬の量を決めることを禁じた医師法に違反する疑いがあるとして異例の強制捜査をした。
「体を動かす子供の画像を早く撮りたかった」
渦中の放射線技師は過剰投与の理由をこう答えた。

放射線の影響は一度に強い放射線を浴びて起きる急性障害と、
少ない量の放射線でも将来がんなどの病気を引き起こす晩発性障害の2つがある。
今回の過剰投与で心配されるのが晩発性障害だ。
しかし、専門家の中でも見解は2つに別れる。
仮設@:どんなに低い値でも一定の確立でがんのリスクが増すという説
仮設A:一定以下なら全く影響を及ぼさないという説
まだまだわかっていない放射線の領域では放射線検査薬の投与を専門家である放射線技師に負うところが大きい。
問題の放射線技師が付与した検査薬が監査で発覚しないよう少なく記録していた。
3237
その数字は被害者の腎臓から出た放射線の量。
過剰投与を裏付ける証拠だったが、専門の技師ではない医師が見ぬくのは難しい。
しかし、問題の本質は個人の責任ばかりではなく長年見過ごしてきた病院の管理体制に問題があるのではないか。
「山梨県内でも技師は1,2名しかいない。その中でやっていかなくてはならない厳しい状況だ。」
市立甲府病院の小沢克良院長はそう語る。

問題の技師は12年間ずっとRIの検査を任されてきた。
放射線量を減らすよう注意してもその量では無理だと投与を繰り返した。
中にはおかしいと思う人もいたのだが、止めることは出来なかった。
日本放射線医師会は問題発覚後すぐに市立甲府病院の立ち入り調査を行った。
過剰投与が繰り返された背景は組織の閉鎖的な体質があることを突き止めた。
医師は一切を放射線技師に任せ、技師は若手の発言を許さない組織の体質。
さらに日本放射線医師会が全国調査を行ったところ、実に29%の割合で放射線技師が投与量決定の最終責任者のままだった。

放射性検査薬は処方箋ではないので薬剤師の業務ではない。
医者は忙しい、
ならば、放射線技師が行おう。
という狭間に置かれた領域から、日本の放射線医療は1970年代から40年以上放射線技師がになってきた。
検査薬の位置づけは今もグレーゾーンである。
そこで本来、薬剤を取り扱う薬剤師が放射線医療のチームに加わり、放射性医薬品を管理していこうという議論が15年以上前から行なってきた。
そして去年の6月日本核医学会など4団体がガイドラインを発表した。
そこには検査薬の準備を薬剤師が行なっていくということが初めて明記された。
皮肉にも市立甲府病院で内部調査が始まった直後だった。
薬剤師の側は市立甲府病院の過剰投与をどう捉えているのか。
「薬剤師たちの間では非常に注目された事件であった。起こる可能性は十分あると思う。
チェック、管理をする立場として薬剤師を配置しなければいけない。」
日本病院薬剤医師会の堀内龍也会長は言う。
しかし、市立甲府病院の事件発覚後も薬剤の投与量を複数で確認していると答えた医療機関はわずか半数にとどまっている。
薬剤師も放射線の専門知識を学ぶ必要がある。
薬剤師の立場からガイドライン策定に関わった松原和夫教授。
松原教授が在籍する旭川医科大学では薬剤師が放射線技師から検査薬の調合を学ぶ試みが始まった。
しかし、薬剤師も放射線技師も絶対数が足りていない。
事件発覚後も状況の改善が進まない理由がここにもある。

警察の捜査が始まって3ヶ月、問題の放射線技師は聴取の当日に自殺した。
真相は藪の中。
5月11日山梨県警は自殺した技師とその部下一人を医師法違反容疑で書類送検した。
医師や病院側の責任は一切問われることはなかったが、
病院は当面被害者に対し、年2回の定期健診を約束した。
被害に遭った子供たちの人生は始まったばかり。
家族の不安はこの先生きていく限り続いていく。
20年30年先にあらわれるかもしれない健康被害。
子供たちの家族は病院側に治療の保証を求めていく考えだ。
専門用語が飛び交う病院側との協議が少しでも理解できるようにと勉強会をひらいていくことも決めた。
被害者の将来の健康被害に対し、因果関係が認められる保証はない。
過剰な医療被曝。
日本中の多くの病院に同じ構図が潜んでいる。

日本人の医療被曝は先進国で最も多く世界平均の6倍にもなる。


原発事故によって放射線被害が注目される中報道された事件なので鮮明に記憶に残っています。
医療現場での被曝というのはレントゲンなどのX線、MRIやCTで使用するものと思っていましたが、
体内に投与される検査薬にも放射性物質が使用されているのは知りませんでした。
「子供は動くから早く検査を終わらせるため投与量を増やし、短時間で済ませる」
自分の利益のためだけに行った卑劣な行為のせいで子供たちは一生の傷を抱えていかなければいけないのです。
自分に捜査が及ぶとすぐに自殺した技師。
それだけ自分の行なっていた行為に強い違法性と後ろめたさを感じていたのでしょう。
それを12年間も続けていたなんて本当に許せません。

アメリカでも歯科で使用するX線がガンのリスクを引き上げるという研究結果が発表されましたし、
私が偏頭痛で治療を受ける際もまず、CTを受けないといけませんでした。
病院以外の他の現場でも放射線による被害の可能性があると考えないといけませんね。


こちら我が家でも購入いたしました。
短時間で測れるので前モデルよりもおすすめです。

【日本製】家庭用放射線測定器【在庫有り】 エステー エアカウンターS

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ドキュメントまにあん at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | NNNドキュメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/272561145

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。