2012年03月31日

ザ・ノンフィクション・特選 名物カレーの消えた街 神楽坂 ある家族の37年

2007年,2010年の2度に渡って放送された番組の再放送+現在の状況。
最近はこの形式での放送が多くなってきました。
この番組は1つ1つ長い間取材しているので、なかなか予算組作りが
難しいのかもしれません。

かつて花街として栄えた神楽坂
裏通りで地元の人々に愛されてきたカレーのおいしい店トレド。
夫婦で経営。
マスターの矢留楯夫(やとめたてお)さん
名物のカレーは、1972年の開業から継ぎ足し継ぎ足しで37年間毎日作ってきた。

マスターには自立した2人の子供がいる。
息子とはうまくいってない。
かつて、マスターも作家の父親に反発していた。
父親は歴史小説家の八切止夫やぎりとめお(本名 矢留節夫)享年73
生涯独身と偽っていたので、世間で知られることのなかった子。
マスターは父親の存在を疎ましく思っていた。
威圧的な父親が嫌だったという。

そんな父親とは18歳のときに両親が離婚するという形で離別。
その後マスターは早稲田大学の法学部へ進学。
合同ハイキングで奥さんと知り合い、結婚。
弁護士の夢を諦め、奥さんの実家平塚で鶏肉卸問屋で働くが、
職人とぶつかり、マスターの実家がある神楽坂へ移った。
2人が始めたのは実家を増築して始めたスナック。
料理学校で3日間、帝国ホテルのコックに教わっ手作った初めてのカレー。
それを自分流にアレンジして、人気メニューに育て上げた。
ルーは手作り、マンゴーとバナナ、リンゴ、人参、たまねぎが入る。
肉は上等な豚肉の肩ロースを使い、煮込む時は8時間毎に火を入れる。

そんなトレドがある地域に突如立ち上がった話。
100年の歴史がある東京理科大学の再開発だ。
この一角に大学の校舎と店と住居が一緒になった共同ビルを建てるという計画。
住民は一度立ち退き、建設が終わり次第戻ってこられる予定だ。
立ち退いていく住民。
しかし、着工が延期になり、見通しが立たなくなった。
周りが立ち退く中、営業を続けるトレド。
だんだんと客足は遠のいていく。

2009年
結局、2年も延期になっていた開発地域に着工計画が発表された。
なんと1ヶ月で立ち退けと言われ悩む夫婦。
なんとか立ち退きの日を決定。
閉店前の3日間は開業当時の値段で営業することにした。
なんとカレーは200円だ。
その話を聞いた息子の純さんから電話が・・・

いよいよ初日の営業を開始したトレド。
そこには手伝いに来ていた純さんの姿があった。
彼は37歳、カレーと一緒に育ってきた。
店の外には行列ができていた。開業してから初めてのことだ。
寸胴鍋4つに用意したカレーも3時間で終わってしまった。
トレド営業最後の日。
初日は130人、2日目は200人、どんどん客は増えていき、連日満員大盛況。
息子と働くマスターも嬉しそうだ。
娘の暁子さんも手伝いにやってきて、家族全員で厨房に立つ。
37年と8ヶ月、最後のカレーが終了した。
最終日の来客はなんと240人。

閉店後、鍋に残ったわずかなカレーを家族で分け合って食べた。
これが本当に最後のカレーだ。

閉店後に純さんが今までの思いを語った。
当時は会話のない父と息子だったという。
接客業で良い笑顔で会話する父は家内庭では間逆であり、
一緒にいるときも空気が重く、その日あったことを話したくても話せない寂しい状況であった。
それはマスター自身が父親に抱いてきた気持ちと同じものだったのだ。

そんな感情を抱いていた純さん。
この3日間手伝ってみて分ったという。
自分の両親が今までどれだけお客さんに愛されてきたのかということを。
そして、これからできるだけ親孝行をしていこうと決めた。

その気持ちを知り、マスターも、今までやってきたことは無駄ではなかった。
と語りついにトレドは姿を消した。

・・・そして現在、再開発は終了し、トレドは建設されたビルの中で営業を再開。
以前の趣をできるだけ再現する形で作った内装、大学生のアルバイトも入れ、
レジも導入した。
またここから継ぎ足しカレーが始まる。
名物カレー復活である。
神楽坂に来れば夫婦2人の元気な笑顔に逢える。


画面に写るカレーがとてもおいしそうでした。
昔ながらの定食屋がこうして姿を消していく姿に寂しさを感じました。
新たに再開した場所でカレーの味はいつか再現できるでしょう。
しかし、あの、あの雰囲気は再現できません。
2度と戻ってくることはないのです。
味のある定食屋、喫茶店がどんどん消滅していきます。
あのレトロな雰囲気が大好きな私は残念でなりません。

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posted by ドキュメントまにあん at 21:48| Comment(0) | ザ・ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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